SERIKA ITO SERIKA ITO
CDO Message CDOメッセージ
国境のない宇宙において、
知性や寛容性、そして調和を
大切にしていきたいという想いに共感し、
就任を決意いたしました。
この度、人類社会の発展に貢献した人物としてお声がけをいただき、
株式会社ワープスペースのCDO(Chief Dream Officer)に就任いたしました、宇宙飛行士の伊東せりかです。
私の国際宇宙ステーション(ISS)での研究成果は、人の目に見えるものではないですし、日常的に効果を実感できるものではないかもしれませんが、いつか多くの人々の命を救えるようになると信じています。
同様に、ワープスペースが手掛ける光通信インフラ事業も、目には見えませんが、これからの地球社会全体をより持続的なものしていくために重要な役割を果たします。国境のない宇宙において、知性や寛容性、そして調和を大切にしていきたいという想いに共感し、就任を決意いたしました。
いま、気候変動による大規模な山火事や洪水被害など、世界中で甚大な自然災害が頻発しています。
発災を防ぐことはできなくても、光通信ネットワークによって衛星データを高頻度かつリアルタイムで取得できるようになれば、山火事を事前に検知し、被害を最大限に減らしたり、火種の段階で対応できるようになります。
また洪水被害についても、どの地域が危険かを事前に予想し、被害が深刻化する前に対応策をうてるため、迅速な対応が可能になります。
こうした災害対応に加えて、より効率的で持続可能な一次産業の実現や、物流の可視化など、地上のあらゆる産業への貢献、ひいては地球経済圏全体への貢献につながると信じています。
CDOとしての取り組みを通じて、ワープスペースが目指す未来をより多くの方々に知ってもらい、
さらに新しいことに挑戦するきっかけをうみだしていけたらなと思います。
Chief Dream Officer 伊東せりか
About Missions of CDO CDOの業務紹介
ワープスペースの取り組みに限らず、いま世界中で注目を集めている脱炭素や持続可能な社会の構築、ESG投資など、宇宙産業が地球社会全体に貢献できる事例を紹介していきます。この取り組みを通じて、宇宙がロマンや一部の限られた人のための場所ではなく、まさにユニバーサルで多くの人々に挑戦する機会があることや、これからの社会をよりよいものにしていくために欠かせないものであることをお伝えしていきたいと思っています。事例紹介以外にも、CDOとしてのミッションはたくさんあるので、ぜひご注目ください!
What is WARPSPACE? 株式会社ワープスペースの取り組み
WarpHub InterSat
宇宙通信インフラの強化を通じた
人類社会への貢献
通信インフラが細いために、地球観測衛星が取得しているデータを
地上に十分に降ろせていないという課題が、
地球観測産業のさらなる成長を妨げています。
そこで、光通信機器を搭載した3基の中継衛星を高度1万キロメートルの
中軌道に打ち上げ、地上と常時接続できるネットワークシステム、
「WarpHub InterSat」を構築することで、産業の成長だけでなく、
人類社会への貢献を目指します。
01 地球観測産業への貢献 Satellite Constellation
衛星コンステレーション
発災後の被害状況を即時に
把握するための重要な役割。
近年の宇宙ビジネスでは、地球観測を目的として、高度数百キロメートルの地球低軌道に打ち上げられる小型衛星が注目を集めています。
農業やエネルギー、インフラ、土木、石油ガスなど多くの分野で需要が増加しており、民間宇宙ベンチャーを主軸とする様々なビジネスがたちあがってきています。
地球温暖化に伴い世界各地では森林火災や大型台風をはじめとした大規模災害が頻発していますが、衛星コンステレーションは、災害を事前に検知したり、発災後の被害状況を即時に把握するための重要な役割も果たすため、期待が集まっています。
02 SDGs/ESG促進への貢献 SDGs ESG
SDGs (Sustainable Development Goals)、 持続可能な社会の実現にむけた取り組みが世界中で加速しています。
17の目標と169のターゲットからなり、貧困や飢餓だけでなく、クリーンエネルギーへの移行、ジェンダー格差の解消、海洋や土壌の保全など、
持続的で多様な未来の実現を目指して国連が掲げた目標です。
また、2006年に国連が提唱しはじめた、Environment(環境)・Social(社会)・Governance(ガバナンス)の3つの観点を包括するESGという概念においても
その普及に向けた動きは世界中で加速しつづけています。いずれも環境問題や気候変動といった社会課題の深刻化が背景にあり、
宇宙の利活用による課題解決にむけたアプローチが検討されています。WARPSPACEも、宇宙通信インフラの拡張を通じて、
より持続的な社会の実現に貢献します。
カーボンニュートラル
地球観測データ量の飛躍的拡大、
AIや機械学習の精度の向上に寄与。
WARPSPACEの衛星間光通信事業が本格的に実用化されると、地上に降ろせる地球観測データの量が飛躍的に拡大し、AIや機械学習の精度の向上につながります。例えば、「このような地表には、こういった鉱物が埋まっている可能性が高い」といった研究も進展し、資源をより効率的に探査できるようになるでしょう。
地球温暖化への対応策として、温暖化ガスの排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルを目指す動きが加速しています。これに伴い、普及に拍車がかかるとみられるのが電気自動車(EV)です。EVの基幹部品はリチウムイオン電池ですが、電池に不可欠なレアメタルの争奪戦が世界的に激しくなるのは必至なだけに、WARPSPACEの技術は温暖化対策に大きく寄与することになります。
サーキュラーエコノミー
海洋ごみのトレーサビリティーを
高度な水準で可視化。
大量のごみが海岸に漂着する事例や、海洋生物がエサと勘違いして誤食し死んでしまうなど、世界中で海洋を漂う海ごみが問題となっています。そこで、生産・消費・廃棄という従来の流れから、ごみを出さないサーキュラーエコノミー(循環型経済)の構築に取り組む動きが注目されています。サーキュラーエコノミーは廃棄されていた製品や原材料などを新たな資源ととらえ、廃棄物を排出することなく資源を循環させる経済の仕組みのことです。サーキュラーエコノミーの市場は、2030年までに4.5兆米ドルに達するという報告もあり、持続的な社会の実現に貢献します。
こうした動きのなかで、海上のプラスチックごみの検知など観測衛星データを活用した事例も複数あり、WARPSPACEの衛星間光通信事業が実用化されると、より効率的にサーキュラーエコノミーが実現されます。
サステナブルソサエティ
光通信ネットワークを活用した
人権問題改善へのアプローチ
人身売買の瞬間を人工衛星がとらえたことで未然に防ぐことができた事例や、世界各地で続く海賊被害への対策、紛争問題など、人権保護の観点からも多様なかたちで貢献できる高いポテンシャルがあります。
WARPSPACEの光通信ネットワークによって、人工衛星と地上とを結ぶ通信インフラがより強化されれば、これまで検知することができなかった人身売買をとらえることができるなど、宇宙利活用を通じた人権問題の改善にも繋がります。